ブリューゲル展

先日、ブリューゲル展に行ってきました。


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ブリューゲルと言ったら『農民の踊り』のブリューゲルを想像しますが、その子どももブリューゲルピーテル・ブリューゲル2世です。


このブリューゲル展では、(『農民の踊り』を描いた)ピーテル・ブリューゲル1世、その長男ピーテル・ブリューゲル2世、次男ヤン・ブリューゲル1世、さらにその子どものヤン・ブリューゲル2世など、ブリューゲル一族の作品が展示されてます。


ピーテル2世が父ピーテル1世の模倣を多数製作し、ヤン1世やその他の子孫たちがピーテル1世の作風を受け継いで作品をうみだしたからこそ、ピーテル1世の作品は広まったのです。


こうしてブリューゲル一族の芸術が確立されていったんですね。


私が印象に残ったのはピーテル1世の作風についての話。

ピーテル1世の作品には、彼の師の影響が見られます。


でも、師と違うのは、彼の絵には批判的要素が少ないこと。

社会を批判する意味で絵を描いたのではなく、彼が美しいと感じたものを感じたまま描いたのだと思います。


ピーテル1世の有名な作品『農民の踊り』にも、彼の優しい眼差しが感じられます。

当時農民を描いた作品は、彼ら農民を侮蔑して描いたものが多かったそう。

でもピーテル1世の、農民一人一人を大きく描いた作品には、そんな侮蔑は感じられません。農民に対する純粋な興味から描いたのでしょう。


また、ブリューゲルの作品にはやっぱりキリスト教を題材にしたものが多いなと感じました。

バベルの塔』、『種をまく人のたとえがある風景』...などなど。

それもそのはず。ピーテル1世の生きていた16世紀という時代は、宗教改革の時代ですよね。

何がその人にその作品を描かせたか。その1つにやっぱり時代背景はありますよね。その時代何があったかっていうのを考えながら作品を見るのも面白いです。


そしてなんといっても、ブリューゲルの絵の魅力はその奥行き。

何度も絵に引き込まれそうになりました。


こういう感覚はやっぱり生で見る醍醐味ですよね。


また、面白いなと感じた作品は、元素や感覚を表現した絵。

ここでいう元素は大気や火、感覚は聴覚や嗅覚のことです。


わかりにくい概念を人に伝えるために、絵っていうのは用いられたこともあったそう。

寓話絵もその一種です。


今回のブリューゲル展では、時代背景など様々な気づきがありました。


みなさんもぜひ行ってみてください。


最後に撮影が許可されてた絵の写真を。


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ブリューゲル一族が花の絵で有名だっていうのも今回初めて知りました😃