パリジェンヌ展
先日パリジェンヌ展に行ってきました。
パリジェンヌ展は世田谷美術館でやってたんですが、初めて訪れました。
とても綺麗でいい雰囲気の美術館でしたよ😃
さて、本題のパリジェンヌ展の感想。
面白かったですー!作品を通して、パリジェンヌたちの姿が伝わってきました。
一番感じたのは、女性の地位の向上。
18世紀?辺りの作品には、まだ自立できていない、というか自立させてもらえない女性の姿が描かれてました。
自分のやりたいことに夢中になってて子どもをないがしろにしてる、という風刺画があったり、夫が亡くなって愛する人を失ったと同時に、生活の支えを失って虚ろな表情を見せる女性の絵があったり。
女性が一人で道端を歩いているとからかわれたそうですよ。
でもそれが20世紀に入ると、作品からも女性の地位が向上したのがわかります。一人で堂々と座っている女性を描いた作品がそれを表してます。
こんな風に作品を通して当時の人の姿が見えてくるのがとても面白かったです。
ちょっとした豆知識みたいなのも知ることができますし。
髪をほどいている女性の肖像画は公的な肖像画ではなくプライベートな肖像画だってことや、海では肌を見せないように白いテントのようなものに入ったまま海に入っていたってことを、作品とその解説から学びました。
あと、私は美術館に行く前に作者について少し調べてから行くようにしてるんですが、今回はマネとルノワールについて調べました。
調べてて面白かったのが、どちらも画家になったのは偶然が重なったからってことです。
マネは元々芸術に興味はありましたが、マネの父はマネが法律家になることを望んでいました。けれど、マネは海軍兵学校の入試に2度失敗し、それで芸術の道に進むことを許されたそうです。
ルノワールは元々磁器の絵付け職人の見習いだったんですが、産業革命や機械化の影響で失業。そしてその後画塾に入塾するんです。
2人の生い立ちを知って、人生って何があるかわからないんだな〜って思いました。ちょっとした選択が、後から見たら重大な分岐点になるのかもしれない。そう考えるとちょっと怖いですけど😅でもだからこそ人生っていうのは面白いのかもしれない。
マネもルノワールも印象派の画家なんですが、進んできた道は少し違います。
マネはサロンでの成功を望んでいたけれど、『草上の昼食』や『オランピア』が風紀に反するという理由で意図せずスキャンダルを生んでしまう。そしてこれが美術界に革命を起こすのです。モネやルノワールも、マネを慕ってバティニョール派というグループを結成するようになります。これが印象派と呼ばれるグループです。
マネは印象派の代表格と目されるようになるけれど、自身は一貫してサロンでの成功を望んでいて、印象派グループ展の参加は拒否します。
マネは自分に正直な人なんだなぁと思いました。何かしらの意図があった訳ではなく、単に自分が描きたかったから『草上の昼食』、『オランピア』を描いた。それらがスキャンダルになったのも意図せずのこと。そして自分に正直だから、モネやルノワールと交流は続けながらも印象派グループ展の参加は拒否した。
そんな風に自分に正直な生き方をするマネだから、たくさんの芸術家たちが彼を慕ったんだと思います。
一方ルノワールは、モネとともに上記で述べた印象派グループ展を開催します。
けれどそのルノワールも、経済的な見通しを重視してサロンに再応募します。
そしてさらには『舟遊びをする人々の昼食』辺りの作品からは、古典主義への関心が強まるようになって印象派からは離れていきます。
当たり前ですが、芸術家さんたちは一人一人全然違う道を歩いています。全然違う道を歩いているからこそ、その人にしか描けないものがあるし、その人にしか伝えられないものがある。
これは私たちも同じですよね。自分にしかできないこともあるし、自分にしか伝えられないものがある。
私もこのブログを通して、私だから伝えられることを発信していきたいです😃